INTERVIEW

大阪の未来を大きく変える。
大阪7大再生プロジェクトを代表する
森ノ宮エリアの大躍進。
大阪の未来を大きく変える。
大阪7大再生
プロジェクトを代表する
森ノ宮エリアの大躍進。

(左)(左上)森ノ宮キャンパス(イメージ) 画像提供:大阪公立大学 
(右)(右上・下)2025年日本国際博覧会 会場イメージ 提供:2025年日本国際博覧会協会

INTERVIEWEE

橋爪 紳也

大阪公立大学特別教授

橋爪 紳也

京都大学大学院、大阪大学大学院修了。工学博士。創造都市や都市文化施設、商業施設など総合的な研究を展開。観光政策の立案、市民参加型のまちづくり、地域ブランディングなどを実践。また、関西の都市政策や都市文化を研究し、大阪府と大阪市の特別顧問として万博誘致に構想段階から携わる。

かつて森町と呼ばれた森ノ宮。
練兵場として利用され、
戦後は集合住宅を建設。

今、森ノ宮は大阪の発展に寄与する重要な拠点として期待を集めています。この地域がなぜ注目されているのか?まずどのように現在の姿に至ったのか、歴史からお話ししましょう。

森ノ宮エリアのうち、大阪城の東側に位置する一帯は、戦前は「森町」と呼ばれていました。明治時代には陸軍の城東練兵場がありました。空港がなかった時代なので、ここに民間の航空機も離発着していました。
その後、戦時下にあって、砲兵工廠に関係する軍需工場が立地したことから、空襲の目標となりました。
戦後、深刻化した住宅不足を解消するべく、住宅公団による都市型の集合住宅が建設されました。また森之宮駅近傍には病院などの都市施設も開設されました。

森ノ宮キャンパス(イメージ) 画像提供:大阪公立大学

うめきたに続く
大規模再開発プロジエクトの地、
大阪城東部地区に誕生する
大阪公立大学。

このような歴史を踏まえて今森ノ宮は、多くの人々に愛される街として発展していくことが期待されています。そのきっかけになるのが2025年秋、大阪城東部地区のエリアのJR「大阪城公園」駅の東側に開校される大阪公立大学の「森之宮新キャンパス」です。大阪公立大学は、2022年4月に大阪府立大学、大阪市立大学が統合して新しく設置された公立大学。1学域11学部と大学院15研究科を備え、それぞれの個性を補完することで総合大学としての価値が高まり、公立大学としては日本最大の規模を誇っています。

私はこの計画に携わり、建物のデザインなどを担当。新キャンパスのコンセプトはかつて森ノ宮が「森町」と呼ばれていたことを意識し「知の森」としました。森之宮新キャンパスが開校すると、1日約6000人の学生・教職員・その他関係者が森ノ宮大阪城公園駅に通うことが見込まれています。

海外の研究者や留学生も集い、研究成果のみならず、新しい若者文化、ひいては他にない都市の魅力が生まれるのではないでしょうか。私は大阪のシンボルである緑豊かな大阪城公園を中心に、観光、文化、学術、産業などそれぞれを育む「知の森」のようなイメージを描いています。さらにうめきた(大阪駅北地区)に続く、大阪再生プロジェクトの一環として、この計画は大規模な開発であり、森ノ宮の未来を大きく変えるでしょう。

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大阪万博2025会場イメージ 画像提供:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会

期待が集まる重要拠点
森ノ宮と夢洲の発展で
大阪の東西軸が進化する。

江戸時代の大阪は、東に大坂城、西に城下町があり、東西方向に都市軸がありました。ところが明治時代になると大阪駅が玄関となります。さらに昭和初期に、御堂筋を中心とした道路網が整備、地下鉄が整備されたこともあって、人々の流れは梅田、なんば、天王寺を中心に南北方向に変化していきました。

そして今、「未来医療国際拠点」の実現に向け取り組みが進められている中之島と、再開発の計画が進む森ノ宮を東の拠点とし、これに対し2025年「日本国際博覧会(以下:大阪・関西万博)」が予定されている夢洲を西の拠点と位置付け、東西軸の発展が注目されています。

とくに夢洲においては大阪・関西万博の開催期間には、日本だけでなく世界中から多くの人々が訪れることが予想されています。これにより東西軸はもとより、2025年を境に日本における大阪の位置付けが大きく変わるかもしれません。私も森ノ宮エリアとともに大阪の街がダイナミックに変化することを楽しみにしています。

(上・左下・右下)2025年日本国際博覧会 会場イメージ
提供:2025年日本国際博覧会協会

速報

※掲載の図面は計画段階のものであり、設計・施工上の理由により変更になる場合があります。
※WIC…ウォークインクロゼット、SIC…シューズインクロゼットの略称です。